11月, 2014年

生前贈与

2014-11-22

来年から相続税の基礎控除が引き下げられる関係で相続税に関する相談が増えてきています。

内容は相続税をどうすれば少なくできるかという節税対策の相談がほとんどです。

相続について税金面での対策は重要ですが、もっと先に考えないといけないことがあります。

先日こんな相談がありました。

その相談者のお母さんは現預金を約8千万円もっておりほかの財産、債務はほぼないというものでした。

相続対策の方法のひとつとして生前贈与があります。

そのお母さんには子、孫合わせて4人いましたので、毎年各人に100万円ほど贈与したらどうかと聞いてこられました。
そうすることで何年か後には財産が基礎控除以下になって相続税を払わなくてもよくなります。

そのお母さんは80歳でしたのでこの先のことを考えると2~3千万円あれば大丈夫ではないかとその方は考えてられました。

しかしこれはあくまでも税金面だけに着目した提案です。

2~3千万円はこの方の勝手な想像で、当のお母さんは8千万円でも心もとないと思っているかもしれません。

かつてCMによく出ていた老姉妹のきんさんぎんさんの有名な話でCMのギャラの使い道を質問したら「老後に備えて貯金します!!」と答えていました。

つまり財産の持ち主はそのお母さんなので、まずはお母さんの意志を尊重して、次にお金の話をしないと親子間の関係がこじれることになります。

同じような話で税金面にだけ着目して親名義の自宅を生前に子に変えて、その後親子間の関係がおかしくなったということがありました。
子供からすると名義が変わっただけで実体(親の居住場所など)はなにも変わらず相続税が少なくなるのでなにも問題はないのではないかと考えていました。

親に相続対策の話を切り出すのは難しいと思いますが、されるときは親の意志を尊重して慎重にしましょう。

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軽減税率

2014-11-21

つい先日消費税の10%への増税の延期が発表されてから、またまた軽減税率について話題になっています。

政治的な話は抜きにしても、私は個人的に軽減税率については反対です。
おそらく私以外のほとんどの税理士もそう思っているのではないかと思います。

理由として消費税の申告書作成がかなり複雑になるというのがあります。
しかし、これは税理士の仕事上の話になりますが、一番の理由はどの品目を軽減税率の対象にするかについて判断が難しいというところにあります。

新聞社は新聞は生活に必要なものであるから対象にすべきとかなり以前から言ってますが、他の業種もみんな多かれ少なかれ対象にしてもらいたいと思っているはずです。

仮に対象品目が決まり、品目の区別に難しさがないとしても領収書を見ながら品目ごとに対象品なのかそうでないのか分けて計算していかないといけません。

軽減税率を導入している多くの国がいろいろと苦労しているのを日本の政府はわかっているはずなのに、なぜこんなにこだわっているのか理解に苦しみます。

低所得者対策であれば、お金を直接配る方が有効だと思っているのは私だけでしょうか。

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