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【貸金業の業務運営に関する自主規制基本規則】を読み解く

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貸金業の業務運営に関する自主規制基本規則

目次

貸金業の業務運営に関する自主規制基本規則とは

PDF:貸金業の業務運営に関する自主規制基本規則

貸金業の業務運営に関する自主規制基本規則が施行されたのは、2007年12月19日です。この規則は、貸金業界における適切な借入れの促進と借り手保護のために制定されました。

背景としては、貸金業界において過剰な貸し付けや過度な金利設定、不適切な取り立て行為などが問題となり、借り手の保護や健全な貸金業の発展が求められました。このような状況を踏まえ、業界内で自主的な規制を導入することで、業務の透明性や信頼性の向上、借り手の権益の保護を図ることが目的とされました。

貸金業界の主要な関係団体や業界団体が協力して、業界全体の信用回復や健全な発展を図るためのルールを策定しました。これにより、貸金業者は自主的にこれらの基本規則に従うことで、借り手の利益を尊重し、借り入れに関する適切な手続きや情報提供を行うことが求められるようになりました。

なお、自主規制基本規則は貸金業界内での合意に基づくものであり、法的な拘束力はありません。しかし、これらの規則を遵守することは、業界の信用向上や法令遵守の一環として重要視されています。

貸金業の業務運営に関する自主規制基本規則

(法令遵守等)
第 3 条
協会員は、法その他の関係法令等(「貸金業者向けの総合的な監督指針」
(以下「監督指針」という。)及び平成 25 年 12 月 5 日に「経営者保証に関す
るガイドライン研究会」から公表された「経営者保証に関するガイドライン」
(以下「経営者保証ガイドライン」という。)を含む。)を遵守するほか、第
2 章各則その他規則によって遵守しなければならないものとして定められた
事項を遵守しなければならない。
2 協会員は、この規則によって遵守に努めるべきものとして定められた事項
について、その遵守に努めることとする。

【貸金業の業務運営に関する自主規制基本規則】見出し一覧

第 1 章 総 則
(目 的)
第 1 条

(定 義)
第 2 条

(法令遵守等)
第 3 条

(経営管理)
第 4 条

(業務の透明性の確保)
第 5 条

第 2 章 遵守事項等各則
(目 的)
第 6 条

(定 義)
第 7 条

(一定の地域又は場所における有人店舗又は無人店舗の設置等)
第 8 条

(協会員による説明)
第 9 条

第 2 節 貸金業の業務の適切な運営を確保するための措置に関する規則
(目 的)
第 10 条

(社内態勢整備)
第 11 条

第 2 節の 2 貸金業務取扱主任者にかかる規則
(目 的)
第 11 条の 2

(主任者の役割と権限)
第 11 条の 3

(主任者の設置)
第 11 条の 4

第 3 節 法第 12 条の 6 に係る禁止行為に関する規則
(目 的)
第 12 条

(重要な事項)
第 13 条

(故意又は重大な過失による行為)
第 14 条

(不正又は不当な行為)
第 15 条

第 3 節の 2 利息・保証料等に係る制限等に関する規則
(目 的)
第 15 条の 2

(利息制限法の遵守)
第 15 条の 3

(社内態勢整備)
第 15 条の 4

第 4 節 相談及び助言に関する規則
(目 的)
第 16 条

(社内態勢整備)
第 17 条

第 5 節 苦情及び紛争対応に関する規則
(目 的)
第 18 条

(社内態勢整備)
第 19 条

第 6 節 過剰貸付け防止等に関する規則
第 1 款 総則
(目 的)
第 20 条

(協会員の一般的責務)
第 21 条

(返済能力の調査に係る基準)
第 21 条の 2

(記録の保存)
第 21 条の 3

(返済能力の調査 ― 借入れ意思の確認)
第 22 条

(過剰貸付けの禁止)
第 23 条

(人的担保を徴求して行う貸付け)
第 24 条

(保証業者を付して行う貸付け)
第 25 条

(極度方式基本契約に係る返済期間の設定)
第 26 条

第 2 款 貸付けの契約を個人の顧客等との間で締結する場合における特則
(返済能力の調査等に係る基準)
第 27 条

(返済能力の調査 ― 指定信用情報機関を利用した調査)
第 27 条の 2

(返済能力の調査-途上与信)
第 27 条の 3

(信用情報提供等業務の休止時における取扱い)
第 27 条の 4

(除外貸付け及び例外貸付け)
第 27 条の 5

第 3 款 貸付けの契約を個人事業者である顧客等と締結する場合の特則
(個人事業者への適用)
第 28 条

(安定的な収入といえるかどうかの判断)
第 29 条

(例外貸付けの確認)
第29条の2

(起業して 1 年に満たない個人事業者の確認)
第 29 条の 3

(過剰貸付けの禁止)
第 29 条の 4

第 4 款 法人向け貸付けに関する特則
(目 的)
第 30 条

(法人であることの確認)
第 31 条

(返済能力の確認)
第 32 条

(過剰貸付けの防止)
第 33 条

(保証能力を超える保証契約の防止)
第 34 条

(第三者の不動産の担保提供を受ける場合の留意点)
第 35 条

(自己振出手形等の制限)
第 36 条

(書類の保管)
第 37 条

(事業者金融分野における営業告知行為の制限)
第 38 条

第 5 款 個人信用情報の提供等
(個人信用情報の提供)
第 39 条

(加入指定信用情報機関への信用情報の提供等に係る同意の取得等)
第 39 条の 2

(目的外使用等の禁止)
第39条の3

第6款 非営利特例対象法人が行う特定貸付契約に係る特則
(特定貸付契約)
第39条の4

第 7 節 広告及び勧誘に関する規則
第 1 款 総 則
(目 的)
第 40 条

(定 義)
第 41 条

(個人向け貸付けの契約に係る広告)
第 42 条

(広告審査及び協会員による説明)
第 43 条

(新聞、テレビ等の業界諸団体との意見交換)
第 44 条

第 2 款 個人向け貸付けの契約に係る広告たるテレビCMに関する遵守事項等
(貸付条件等の表示)
第 45 条

(啓発文言)
第 46 条

(表現内容に関する留意事項)
第 47 条

(放送時間帯、総量及び放映番組に関する留意事項)
第 48 条

第 3 款 個人向け貸付けの契約に係る広告たるラジオCMに関する遵守事項等
(ラジオCMに関する自主規準)
第 49 条

(啓発文言)
第 50 条

(表現内容に関する留意事項)
第 51 条

(放送時間帯に関する留意事項)
第 52 条

第 4 款 個人向け貸付けの契約に係る新聞、雑誌又は電話帳による広告に関する遵守事項等
(貸付条件等の表示)
第 53 条

(啓発文言)
第 54 条

(表現内容に関する留意事項)
第 55 条

(出稿先に係る留意事項)
第 56 条

第 5 款 個人向け貸付けの契約に係るチラシによる広告に関する遵守事項等
(新聞又は雑誌に係る規定の準用)
第 57 条

第 6 款 個人向け貸付けの契約に係るインターネットによる広告等に関する遵守事項等
(ホームページへの明示事項等)
第 58 条

第 7 款 その他媒体による個人向け貸付けの契約に係る広告に関する留意事項
(その他媒体による個人向け貸付けの契約に係る広告に関する留意事項)
第 59 条

第 8 款 企業広告に関する遵守事項等
(目 的)
第 60 条

(定義等)
第 61 条

(屋外広告看板等に関する全般的な留意事項)
第 62 条

(屋外広告看板等の設置に関する留意事項)
第 63 条

(協会員による説明)
第 64 条

第 9 款 貸付けの契約に係る勧誘に関する規則
(目 的)
第 65 条

(貸付けの契約に係る勧誘の承諾)
第 66 条

(再勧誘に関する留意事項)
第 67 条

第 10 款 貸付けの契約に係る説明に関する規則
(適合性の原則)
第 67 条の 2

第7節の2 書面交付にかかる規則
(書面交付に関する留意点)
第 67 条の 3

(社内態勢整備)
第 67 条の 4

(変更書面の交付)
第67条の5

第 8 節 取立て行為に関する規則
(目 的)
第 68 条

(社内態勢整備)
第 69 条

(正当な理由を有さない取立ての禁止)
第 70 条

(社会通念に照らし相当と認められないことその他正当な理由がない取立ての禁止)
第 71 条

(正当な理由を有さない居宅以外への取立ての禁止)
第 72 条

第 9 節 取引履歴の開示に関する規則
(目 的)
第 73 条

(本人又は正当な委任を受けた代理人等であるかの確認の方法)
第 74 条

(取引履歴の開示の方法)
第 75 条

第 10 節 過払金支払に関する規則
(振込口座)
第 76 条

第 11 節 債権譲渡等に関する規則
(目 的)
第 77 条

(譲渡の相手方等の選定等)
第 78 条

(譲渡債権に係る帳簿の開示及び保管)
第 79 条

ネットユーザーの関心が高い条文を抜粋

第14条

今ではフリーコールが当たり前ですが、そこに電話して質問をすると、ビックリするくらいの丁寧な対応と的確な回答をしてくれます。これは、嘘を伝えたり回答をしなかったりすると、14条違反になってしまうからです。また、ホームーページにも嘘や誤解を招くような情報は載せてはいけないと規定されています。自主規制規則の中に「法」と書かれている箇所は、すべて貸金業法のことをいいます。

(故意又は重大な過失による行為)
第 14 条
協会員は、以下に掲げる行為を行った場合には、法第 12 条の 6 に定める禁止行為に該当するおそれが大きいことに留意しなければならない。
⑴ 資金需要者等から契約の内容について問い合わせがあったにもかかわらず、当該内容について回答せず、資金需要者等に不利益を与える行為
⑵ 資金需要者等が契約の内容について誤解していること又はその蓋然性が高いことを認識しつつ正確な内容を告げない行為その他資金需要者等の適正な判断を妨げる行為

2 協会員は、法第 12 条の 6 第 1 号から第 3 号までに定める「告げる」又は「告げない」とは、必ずしも口頭で明示的に行うことに限らず、書面又は電磁的方法によるものその他を含むことに留意しなければならないものとし、例えば、以下に掲げる方法が考えられる。
⑴ ポスター等の営業所内への掲示
⑵ 自動契約受付機、現金自動設備等の画面における表示
⑶ 協会員のホームページを利用したインターネット上における表示
⑷ 新聞、雑誌、テレビその他各種広告媒体における表示
⑸ 資金需要者等の住所に対して通知を送付することによる告知

貸金業法

(禁止行為)
第12条の6
 貸金業者は、その貸金業の業務に関し、次に掲げる行為をしてはならない。
1 資金需要者等に対し、虚偽のことを告げ、又は貸付けの契約の内容のうち重要な事項を告げない行為
2 資金需要者等に対し、不確実な事項について断定的判断を提供し、又は確実であると誤認させるおそれのあることを告げる行為(次号に掲げる行為を除く。)
3 保証人となろうとする者に対し、主たる債務者が弁済することが確実であると誤解させるおそれのあることを告げる行為
4 前三号に掲げるもののほか、偽りその他不正又は著しく不当な行為

第15条

これらを規制するということは、かつては行われていたと思われます。どれも酷いですね。免許証や保険証を預かる、クレジットカードを担保に徴収する、勝手に振込んで利息を請求する、架空名義の口座を作る、関係ない人にまで保証人になれと迫る、生命保険を担保に要求する、契約内容を理解していないのを分かって契約させる、弱みにつけ込む・・・犯罪のオンパレードですね。

(不正又は不当な行為)
第 15 条
協会員は、次に掲げる行為を行った場合には、法第 12 条の 6 第 4 号に定める「不正又は著しく不当な行為」に該当するおそれがあることに留意しなければならない。
⑴ 契約の締結又は変更に際して、次に掲げる行為を行うこと。
イ 白紙委任状及びこれに類する書面を徴求すること。
ロ 白地手形及び白地小切手を徴求すること。
ハ 印鑑、預貯金通帳・証書、キャッシュカード、運転免許証、健康保険証、年金受給証等の資金需要者等の社会生活上必要な証明書等を預かること。
ニ 貸付けの金額に比し、合理的な理由がないまま過大な担保(人的担保含む。)を徴求すること。
ホ 資金需要者等が借入申込書を記入するにあたり、虚偽の年収額、資金使途又は家計状況の記載を勧めること又は示唆すること。
ヘ クレジットカードを担保として徴求すること。
⑵ 人の金融機関等の口座に無断で金銭を振り込み、当該金銭の返済に加えて、当該金銭に係る利息その他の一切の金銭の支払を要求すること。なお、一切の金銭の支払とは、礼金、割引料、手数料、調査料その他何らの名義
をもってするを問わない。
⑶ 協会員が、架空名義若しくは他人の名義を利用して金融機関等に口座を開設し、又は金融機関等の口座を譲り受け、債務の弁済において当該口座に振込みを行うよう要求すること。
⑷ 取立てにあたり、債務者等以外の者に保証人となるよう強要すること。
⑸ 資金需要者等からの貸付の契約申し込みにあたり、例えば「信用をつけるため」等の虚偽の事実を伝え、手数料を要求すること。
⑹ 生命保険、損害保険等の保険金により貸付金の弁済を要求すること。
⑺ 資金需要者等が身体的・精神的な障害等により契約の内容が理解困難なことを認識しながら、契約を締結すること。
⑻ 債務者等の債務整理に際して、帳簿に記載されている内容と異なった貸付金額や貸付日などを基に残存債務の額を水増しし、和解契約を締結すること。
⑼ 資金逼迫状況にある資金需要者等の弱みにつけ込み、次に掲げる行為を行うこと。
イ 資金需要者等に一方的に不利となる契約の締結を強要すること。
ロ 今後の貸付けに関して不利な取扱いをする旨を示唆すること等により、株式、出資又は社債の引受けを強要すること。

第21条、23条

カードローン審査における返済能力の調査は、今でも多くのユーザーが不安を抱える項目です。しかしここで規定されているということは、かつては資金需要者の返済能力の調査は適当に行われ、どんどん貸されていたことが想像できます。今でこそコンプライアンス(法令順守)という横文字が定着しつつありますが、まだまだ金利は高く、各カードローンの不良債権は年々増え続けて多重債務者が続出しています。

(協会員の一般的責務)
第 21 条
協会員が資金需要者等の必要な収支状況を把握した上で返済能力を調査することは、資金需要者等が収支との均衡を踏まえた健全な返済計画に基づく貸付けの契約を締結することを可能にするという観点及び資金需要者等が多重債務に陥ることを防止するという観点から極めて重要であることにかんがみ、協会員は、貸付けの契約を締結する場合には、法その他の関係法令を遵守し、この規則の規定に従い、適正な貸付けの契約を締結しなければならない。

(返済能力の調査に係る基準)
第 21 条の 2
協会員は、法その他の関係法令を遵守し、この規則の規程に従った適正な貸付けの契約の締結が行われるようにするため、例えば、顧客等の収入又は収益その他資力及び支出の状況、借入れの状況、資金使途等を考慮した返済能力の調査に係る基準を設けなければならない。

(過剰貸付けの禁止)
第 23 条
協会員は、貸付けの契約を締結しようとする場合において、第 21 条の 2 の規定による調査により、当該貸付けの契約が個人過剰貸付契約(法第13 条の 2 第 2 項に定めるものをいう。)その他顧客等の返済能力を超える貸付けの契約と認められるときは、当該貸付けの契約を締結してはならない。

第26条

消費者金融の公式HPには返済シミュレーションがあり、低すぎる数字を打ち込むと「毎月~円以上になるように記入してください」という風にエラーメッセージが表示されます。これは借入希望金額が3年以内もしくは5年以内で返済できるように毎月の最低返済額がプログラムされているからです。ただし、銀行カードローンはこの限りではなく、少ない借入額でも5年を超える返済期間でも借入れ可能です。その分、膨大な金利を支払うことになってしまいますが・・・。

(極度方式基本契約に係る返済期間の設定)
第 26 条
協会員は、資金需要者等との間で極度方式基本契約を締結する場合には、当該極度方式契約に基づく極度方式貸付けの返済が原則 3 年以内(ただし、極度額が 30 万円を超える場合には原則 5 年以内)に終了するようにしなければならない。ただし、極度額が 100 万円を超える場合において、返済能力その他の事情等にかんがみ、合理的理由がある場合には、この限りでない。

第27条、第27条の2

カードローン審査における返済能力の調査には、カードローン会社ごとの独自の基準が設けられており、これはブラックボックスです。しかしながら、以下のように項目立てられていることで、どういうものが審査対象になっているのかは見えますし、各カードローンの公式HPの審査申込みページの記入項目も然りです。また、貸金業法13条2項で、信用情報を使用しなければならないと規定されているため、自主規制規則も同様です。

(返済能力の調査等に係る基準)
第 27 条
協会員は、個人の顧客等 (以下 「個人顧客等 」という。)との間で貸付けの契約(極度方式貸付けに係る契約を除く。)の締結を行う場合、返済能力調査を適切に実施するため、例えば、次に掲げる情報を考慮した返済能力の調査等に係る基準を設けなければならない。
⑴ 収入又は収益その他の資力及び支出の状況
⑵ 借入れの状況(借入件数、借入金額及び各貸付けに係る契約の内容(除外貸付け又は例外貸付けとなる契約となる場合は、その旨)等をいい、指定信用情報機関への照会を行った結果判明したものを含む。)
⑶ 家族構成及び勤務先などの属性の状況
⑷ 資金使途(資金需要者等による資金使途が未定若しくは協会員により使途目的を定めない場合は、その旨の記録等を行い、保存する。)
2 前項第 2 号に規定する「除外貸付け」とは、施行規則第 10 条の 21 第 1 項各号に定める貸付けに係る契約をいい、「例外貸付け」とは、施行規則第 10 条の 23 第 1 項各号に定める貸付けに係る契約をいう。

(返済能力の調査 ― 指定信用情報機関を利用した調査)
第 27 条の 2
協会員は、法令等に基づき、指定信用情報機関が保有する信用情報を使用しなければならない。
2 協会員は、複数の指定信用情報機関と信用情報提供契約を締結している場合において、少なくともいずれか一つの指定信用情報機関が保有する信用情報を使用し、個人顧客等との間で貸付けの契約を締結しない旨判断したときには、さらに、他の指定信用情報機関が保有する信用情報を必ずしも使用する必要はないものとする。

第39条

カードローン、消費者金融と契約してお金を借りた場合、信用情報機関に情報が提供されます。これ以降、返済状況は常に信用情報機関に送られます。ブラックにならないために遅れずに返済することです。

(個人信用情報の提供)
第 39 条
協会員は、指定信用情報機関と信用情報提供契約を締結したときは(以下、当該指定信用情報機関を「加入指定信用情報機関」といい、当該協会員を「加入協会員」という。)、加入指定信用情報機関に加入した日前までの貸付けに係る契約(極度方式基本契約及び施行規則第 30 条の 12 で定めるものを除く。次項において同じ。)に係る個人信用情報(貸付けの残高があるものに限る。)を、加入指定信用情報機関に提供しなければならない。
2 加入協会員は、貸付けに係る契約を締結したときは、遅滞なく、個人信用情報を加入指定信用情報機関に提供しなければならない。
3 加入協会員は、前 2 項に基づき加入指定信用情報機関に提供した個人信用情報に変更があったときには、遅滞なく、その変更内容を同機関に提供しなければならない。

第45条

テレビCMの時間帯が規制されていることで、消費者金融のCMは殆んど見なくなりましたが、項目によって2.8秒以上表示しないといけないと決められています。この数字の根拠はサブリミナル効果なのか分かりませんが、2.8秒なんて一瞬です。意味があるのかどうかも疑問ですが、こうして規定されています。

(貸付条件等の表示)
第 45 条
協会員は、個人向け貸付けの契約に係る広告たるテレビCMを行うにあたっては、法第 15 条及び府令で定める事項を表示しなければならない。また、その表示にあたり、以下の規定に則らなければならない。

各項目大きさ秒数備考
①貸付利率32 級以上2.8 秒以上〔大きさ〕小数点以下については
20 級以上
②遅延損害金
(利率)
12 級以上2.8 秒以上
③年齢制限12 級以上2.8 秒以上
④その他の事項8 級以上特に指定しない・法第 15 条及び内閣府令で定める事項を表示すること。
・協会考査承認番号の表示
・協会員であることを示す、会員番号の表示及び協会マークの表示

第46条

例として、アイフルの30秒のテレビCMがYouTubeにあったので紹介します。CMの最後に2秒間、契約内容をよくご確認下さい。収入と支出のバランスを大切に。無理のない返済計画を。という文言が表示されます。

(啓発文言)
第 46 条
協会員は、個人向け貸付けの契約に係る広告たるテレビCMを行うにあたっては、過剰借入れへの注意喚起を目的とし、次の各号に掲げる事項を要素とした文言を表示することとする。
⑴ 契約内容の確認(文言例 契約内容をご確認ください)
⑵ 使い過ぎ借り過ぎへの注意喚起(文言例 収入と支出のバランスを大切に)
⑶ 計画性のある借入れ(文言例 無理のない返済計画を)
2 協会員は、前項に規定する啓発文言を表示するにあたり、次の各号に掲げる事項に留意しなければならない。
⑴ 貸付条件表示と別に単独で表示すること。
⑵ 啓発文言を表示する際、とりきり表示とし、露出秒数を 15 秒広告の場合は、1.5 秒以上とし、30 秒広告の場合は 2.0 秒以上とする。
⑶ 啓発文言表示は、ゴシック体にて 18 級以上とし、社名表示はCI文字を使用せず 15 級以下とする。また、その他付随する文言を表示する場合は、8 級とする。

第47条

カードローン、消費者金融の公式HPには必ず返済シミュレーションがありますが、これは47条で規定されているからなんですね。

(表現内容に関する留意事項)
第 47 条
協会員は、個人向け貸付けの契約に係る広告たるテレビCMを行うにあたっては、その表現内容に関し、次の各号に掲げる事項を留意しなければならない。
⑴ 安易な借入れを助長する表現、又はその疑いのある表現を排除すること。
⑵ ホームページアドレスを表示する場合、当該ホームページには、定められた啓発文言の表示があること。また、返済シミュレーションを備えること。
⑶ 15 秒CMの 2 段積み放送は行わないこと。

プロミスの返済シミュレーション
SMBCモビットの返済シミュレーション
アコムの返済シミュレーション
アイフルの返済シミュレーション

第48条

自宅では見ないのですが、出張や旅行で地方に出掛けたときに、何気なく宿のテレビをボーッと見ていたら消費者金融のCMが流れて「おっ!久しぶりに見たな~」と新鮮な気持ちになりますが、時間帯と本数が厳格に定められているんですね。

(放送時間帯、総量及び放映番組に関する留意事項)
第 48 条
協会員は、個人向け貸付けの契約に係る広告たるテレビCMを行うにあたっては、その放送時間帯、総量及び放映番組に関し、次の各号に掲げる事項に留意しなければならない。
⑴ 以下に定める児童・青少年に配慮する時間帯には原則として放送を行わないこと。
イ 午前 7 時から午前 9 時
ロ 午後 5 時から午後 10 時
⑵ 全国の放送局で選定する「青少年に見てもらいたい番組」への放送は行わないこと。
⑶ ギャンブルを主体とした番組への提供は行わない。また、当該番組前後へのスポットCMについても配慮すること。
⑷ 以下に定める放送量範囲での放送とすること。(地上波放送に適用)
イ 各放送エリアにおける放送総量:月間 100 本以内とし( 15 秒 =1 本換算)、22 時から 24 時の時間帯の放映数上限は 50 本とすること。
ロ 前号に規定する放送エリアについては、次に掲げる場合を除いて一道22県を 1 放送エリアとする。
(ア) 関東放送エリアは、1 都 6 県(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県、栃木県、群馬県)とする。
(イ ) 近畿放送エリアは、2 府 4 県(大阪府、京都府、兵庫県、奈良県、和歌山県、滋賀県)とする。
(ウ) 東海放送エリアは、3 県(愛知県、岐阜県、三重県)とする。
(エ) 九州放送エリアは、2 県(福岡県、佐賀県)とする。
(オ) 鳥取・島根放送エリアは、2 県(鳥取県、島根県)とする。
(カ) 岡山・香川放送エリアは、2 県(岡山県、香川県)とする。

第56条

ギャンブルや風俗サービスの常習者は、お金を貸す広告を出すと入れ食いになり、返済が焦げ付いて多重債務者になる可能性が極めて高い属性なので、そういう媒体には広告掲載はできないことになっています。

(出稿先に係る留意事項)
第 56 条
協会員は、新聞又は雑誌へ個人向け貸付けの契約に係る広告を出稿するにあたっては、次の各号に掲げる媒体へ広告を掲出することはしてはならない。
⑴ ギャンブル専門紙及びギャンブル専門誌
⑵ 風俗専門紙及び風俗専門誌

第69条~72条

取立ての態様が規定されています。「威迫」及び「その他の人の私生活若しくは業務の平穏を害するような言動」に該当する恐れがある行為が列挙されていますが、かつてはこんな取立てが行われていたと思うとゾッとします。反社と変わらないですね。また「社会通念に照らして相当」「正当な理由」というフレーズは法律の常套句で玉虫色の解釈ができますが、ここでは具体例が列挙されているので混乱はないかと思います。

(社内態勢整備)
第 69 条
協会員は、取立て行為を行うにあたり、定められる法及び関連する法律を遵守するとともに、以下に掲げる行為は法第 21 条第 1 項に定める「威迫」及び「その他の人の私生活若しくは業務の平穏を害するような言動」に該当する恐れがあること、また、この規則第 70 条、第 71 条及び第 72 条を留意し必要な社内態勢整備に努めなければならない。なお、社内態勢整備にあたっては業容規模や個人又は事業者を対象にした契約内容により、その方法は一律に定められるものではないが、自らの業務形態を踏まえた上で、電話、訪問、文書、電子メールなど態様別に、且つ、出来うる限り客観的な基準を設け整備を行う必要がある。また、債務者等以外にも、代理人弁護士や司法書士、親族及び第三者に対しても留意しなくてはならない。
⑴ 大声をあげたり、乱暴な言葉を使うなど暴力的な態度をとること。
⑵ 多人数で訪問すること。例示として、3 名以上が挙げられる。
⑶ 不適当な時期に取立ての行為を行うこと。例示として、以下が挙げられる。
イ 親族の冠婚葬祭時
ロ 年末年始(12 月 31 日から 1 月 3 日)
ハ 債務者等の入院時
ニ 罹災時
⑷ 債務処理を代理人弁護士又は司法書士に委託し、または債務処理のため必要な裁判所における民事事件に関する手続きをとったことが弁護士又は司法書士、裁判所から通知された場合、又は債務者等からの電話その他の方法をもって判明した場合、若しくは財団法人日本クレジットカウンセリング協会から介入通知を受領した場合、その後債務者等に支払を要求すること。
⑸ 反復継続した取立て行為を行うこと。
例示として、以下が挙げられる。
イ 電話を用いた債務者等への連絡を、1 日に 4 回以上行うこと。
ロ 電子メールや文書を用いた連絡を、前回送付または送信から 3 日以内に行うこと。
⑹ 親族または第三者に対し、支払いの要求をすること。
例示として、以下が挙げられる。
イ 各態様において、あたかも返済義務があるような旨を伝えること。
ロ 支払い申し出があった際、支払い義務が無い事を伝えないこと。
2 取立て行為を行うにあたり次の事項を記録・保存しなければならない。
⑴ 相手先(債務者等、代理人弁護士、親族または第三者の別)
⑵ 日時、場所及び手法(電話、訪問、文書、電子メールの別)
⑶ 担当者
⑷ 内容(相手先との折衝内容、文書内容を含む。)
(正当な理由を有さない取立ての禁止)
第 70 条 法第 21 条第 1 項第 1 号に規定する「正当な理由」の有無については、個別の事実関係に即して判断するべきものであるが、例えば、次の各号のような場合には、特段の事情がない限り「正当な理由」が認められない可能性が高いものと考えられる。
⑴ 債務者等の自発的な承諾がない場合
⑵ 債務者等と連絡をとるための合理的方法が他にある場合

(社会通念に照らし相当と認められないことその他正当な理由がない取立ての禁止)
第 71 条
法第 21 条第 1 項第 2 号に規定する「社会通念に照らし相当と認められないことその他正当な理由」の有無については、個別の事実関係に即して判断するべきものであるが、例えば、以下のような場合には、特段の事情がない限り社会通念に照らし相当と認められる可能性が高いものと考えられ、取立てをすることは出来ない。
⑴ 次の各号に該当する場合その他債務者の申出に合理性があると認められる場合
イ 債務者等が申し出た弁済期日が、当該申出の日から 1 ヶ月を超えない範囲で弁済期日を示された場合であって、当該期日に近接して給料日その他確実な収入が見込まれる日が存在するとき。
ロ 直近において債務者等から弁済や連絡に関する申し出が履行されている場合
ハ 通常の返済約定を著しく逸脱したとは認められない申し出がなされた場合
ニ 申し出に係る返済猶予期間中に債務者等が申出内容に反して他社への弁済行為を行う等の事情が認められない場合
ホ 申し出に係る返済猶予期間中に債務者等に支払停止、破産開始等の申立て、所在不明等債務者から返済を受けることが困難であることが確実と認められる事情が生じていない場合

(正当な理由を有さない居宅以外への取立ての禁止)
第 72 条
法第 21 条第 1 項第 3 号に規定する「正当な理由」がある場合とは、協会員において債務者等の居宅への架電等の通常考えられる合理的な手段を講じたにもかかわらず、債務者等との連絡が困難な場合及び連絡を拒否する場合に、債務者等と連絡をとるための合理的方法が他にないと判断するような場合をいい、特段の事情のない限り、例えば次のような場合が「正当な理由」があると認められる可能性が高いものと考えられる。
⑴ 債務者等から自発的な承諾がある場合
⑵ 債務者等が申告した住所その他の連絡先を事前連絡なく変更したおそれがある場合
⑶ 2 日以上にわたり、かつ異なる時間帯に債務者等の居宅に複数回の架電等を行ったにもかかわらず、当該債務者等に連絡が取れないなどの状況にあり、居宅以外の場所に架電等の措置をとる必要性が認められる場合
⑷ 債務者等から連絡を受ける時期の申出を受けたため、当該申出に従い連絡したにもかかわらず、連絡を取れない状況が 3 回以上続いている場合

まとめ

消費者金融は、かつてはゾッとするような高金利や取立てがあった時代の反省から、今ではクリーンなイメージになりました。しかし、金融リテラシーを身に付けない限り、リボ払い地獄は目の前に大きな口を開けて待ち構えています。法律の専門家でない限り、こういった規則や法律の条文を読み込む機会はありません。しかし、こういう細部を知っておくと、カードローンを利用することになっても慎重さは保てるはずです。ここまで読み進んだ方は稀だと思いますが、どうぞご利用は計画的に。

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