債務整理に踏み出すための基礎知識

債務整理に踏み出すための基礎知識

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任意整理のデメリット

ブラックリストに載る

任意整理をすると、信用情報機関に事故情報が登録されます。そのため、任意整理後の返済を終了してから5年間は、新たな借入やクレジットカードの作成が困難になります。

申込審査時に、信用情報を照会する以下の手続きも利用できなくなる可能性があります。また、任意整理を行ったという記録が信用情報機関に登録されることになります。

そのため、整理の履行後5年以上のスパンで、新たなローンの獲得やクレジットカードの取得が困難になる可能性があります。また、申込審査時に信用情報機関に相談することが不可能になる可能性もあります。

保証人に多大な迷惑をかけることがある

保証人との間で債務整理の相互契約が成立している場合、債権者は本人から一括返済を求められるという特権があります。保証人が一度の支払いで債務を清算できない、または支払スケジュールに同意できない場合、主債務者とも任意整理などの整理方法を検討しなければならない場合があります。

希望通りの合意ができない可能性もある

一般的に、任意整理の場合、関連する費用は、直接経費と弁護士費用の2つに分けられます。

直接経費としては、債権者1人あたり数千円程度が考えられますが、任意整理の弁護士費用は、通常、着手金が3万~5万円程度、実費が2万~4万円程度となります。

これに加え、特定の法律事務所では、経済的利回りの最大10~20%を手数料として差し引かれることもあります。

任意整理の費用が出せるか心配…

任意整理の費用相場|1社あたり3〜10万円程度

任意整理にかかる費用は、大きく分けて、実費と弁護士費用です。

実費【数千〜1万円程度】

実費とは、手続きを進める過程で実際に支出が必要な費用です。具体的には、以下の費用として、債権者1社あたり数千円程度の費用がかかります。

弁護士費用【1社あたり3〜10万円程度】

任意整理の弁護士費用の相場は、以下のとおりです。法律事務所によっては、減額報酬として経済的利益の10~20%の報酬金がかかることもあります。

☑ 着手金:3~5万円程度
☑ 報酬金:2~4万円程度

法テラスを利用する

弁護士費用を捻出できない場合、収入や財産が一定額以下であれば、法テラスの民事法律扶助制度で費用を立て替えることができます。法テラスから支給された金額は、分割して返済することができるので、苦境を軽減することができます。

司法書士に依頼する

1社あたりの債務元本が140万円以下であれば、司法書士に任意整理の訴えを起こすことができます。この支払いは、事務所にもよるでしょうが、通常、弁護士の場合より低くなります。

弁護士に分割払いを相談する

債務整理を扱ういくつかの法律事務所では、弁護士費用の分割払いを積極的に認めています。弁護士は、手続きが完了することを条件に、債権者の取り立てを遅らせたり、返済を留保したりすることができます。やり取りをした債権者を返すための融資が認可されているため、安心して弁護士費用の支払いに充てることができます。

自分で任意整理できるか?

取引履歴の開示の必要性

任意整理の場合、利息制限法上の残債務を計算するために、各債権者からの取引履歴の開示申請を行う必要があります。自分で手続きをする場合、債権者から以下の様な対応をされることがあります。

☑ 債務残高しか開示されない
☑ 直近取引や途中の取引だけしか開示されない
☑ 完済した取引の履歴開示を拒絶される

債権者からの取引履歴の開示を鵜呑みにすることは、望ましくない契約の成立を招きかねません。また、執拗に開示を求めても、債権者が協力せず、手続きに支障をきたす可能性があります。

引き直し計算が難しい

利息譲渡制限法に基づく計算を行うには、無料でダウンロードできるWebソフトがありますが、借入・返済日や返済額などを正確に入力する必要があり、手間がかかる作業です。

この作業で問題となるのは、債権者が債務者に開示する資料には、借入日、借入額、支払日、返済額などが正確に記載されていないこと、また、クレジットカード会社では、毎月の明細書に請求額と支払額が記載されているため、その明細書を作成することです。

また、クレジットカード会社が毎月発行する明細書には、請求額と支払額が記載されています。このようなことは、かなりの時間配分を必要とし、人によるデータ入力のミスも起こりがちです。

不利な条件を提示される可能性もある

数多くの金融機関は、債務者からの任意整理の申し出に消極的な姿勢をとります。仮に任意整理に応じるとしても債務者に不利益な条件を提示することがあります。

「返済期間が長すぎる」「毎月の返済額が低すぎる」などの理由で、こちらが立てた返済計画を変更するよう要求されることも少なくありません。

経験値に差があるため、貸主の要求に従わざるを得ず、和解が成立しても、結局は返済計画を実行できないことがあります。

任意整理なら、まずは弁護士に相談を

利息や遅延損害金の免除が望める

弁護士に依頼すれば、将来の利息や遅延損害金のカットが望めます。弁護士が代理人として任意整理を行う場合は、東京弁護士三会が定めた以下の統一基準を満たせるよう、債権者と交渉します。弁護士の粘り強い交渉により、将来利息だけでなく、和解日までの経過利息を免除してもらえる可能性もあります。

☑ 全取引の履歴の開示を求める
☑ 利息制限法の利率によって元本充当計算を行い、債権額を確定する
☑ 返済案の提示にあたっては、それまでの遅延損害金や将来の利息を付けない

弁護士を選ぶことで、今後発生する利息や延滞金を切り詰めることが期待できます。弁護士が任意整理の弁護をする場合、東京弁護士会主催の以下の一貫したガイドラインを遵守して債権者と交渉することになります。弁護士による継続的な交渉により、近日中の利息だけでなく、和解日までの回収利息も免除される可能性があります。

面倒な手続きをすべて任せられる

任意整理は、以下の手順で進めます。弁護士に依頼すれば、これらの面倒な手続きをすべて任せられます。そもそも弁護士の仕事はこれらの複雑で面倒な手続きを代行することですし、こういった専門知識を必要とする分野でこそ、専門家として本領発揮ができるというものです。

① 取引履歴の開示を請求する
② すべての取引を利息制限法の利率で引き直し計算する
③ 実現可能な返済計画を立てる
④ 債権者に返済案を提示して交渉を開始する
⑤ 債権者の合意が得られたら契約書を締結する

過払金の有無も調査してもらえる

取引履歴を開示する際に、利息制限法に基づく充当計算表を提示する金融機関もあります。しかし、債権者の充当計表が、債務者にとって不利な形で計算されていることもあります。

逆に、弁護士は借入と返済をそれぞれ独立に見るのではなく、借入の累積利息を借入総額に対する取り付けとして分析します。この計算方法は、過去の事例に基づいており正確なので、過払い金の有無を正確に把握できます。

任意整理で解決できない場合も安心

借入の明細や収入、経済状態によっては、任意整理で借金を片付けるのは厳しいかもしれません。それでも、弁護士に相談すれば、あなたに最も適した解決策を提示してくれます。

実務家は、一者再生や自己破産の手続きにおいてあなたの法的代理人となり、裁判所に対して必須となるすべての書類の手配だけでなく、やり取りもすべてワンストップで任せられます。

まとめ

任意整理は、労力や金銭的な投資をほとんど必要としない、簡単な債務整理の方法です。しかし、債権者との交渉には、専門的な知識や交渉力が必要です。弁護士に依頼することで、そのような面倒な作業を弁護士に任せ、債権者からの取り立てをストップさせることができます。


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